老犬の歩行器について

老犬アーさんの弱まりつつあった後ろ脚を延命するべく通院していましたが、できることはやったという認識になったので病院での治療と投薬は止めることにしました。病院に行くのを止めたからと言って、そのまま放おっておくとアーさんの生活の質は下がっていきます。

そこで歩行器を購入することにしました。

歩行器自体がそれほど安いものではないので、使わなかったらモッタイナイことになります。ですので躊躇はありましたが、止めてしまった通院の費用数回と考えれば、とにかく買うしかないかと、アマゾンでポチッとしたのです。

結論から言うと、歩行器は非常に役立っています。これがなければ辛いだろうなと思うことがよくあります。

歩行器を購入する意味はいくつかあります。

まず、全身を動かそうとします。寝ているだけでは、体は動かせません。ハーネスのように体を吊り上げて支える方法でも犬は自分で動こうとしません。歩行器に載せて、四本の脚でなんとか立たせると、全身を使って歩こうとします。これは脳を含む神経にもとてもよいことなんだろうと感じました。歩行器を使いだした頃は、すでに後ろ脚は歩行できない状態でしたが、それでも歩行器に乗った状態で、右、左、右、左と脚を動かそうとしたのを見た時は非常に驚きました。

次に言えるのは、気分の問題です。四本の脚で立って、手助けを受けながらでも歩けると、顔つきが変わります。寝ているとどんよりとした表情ですが、歩行器で歩かせようとすると元気なころの顔に戻ります。人間と同じで前向きに感じられる行為とその時間が大切なのだと思います。アーさんにとって歩行器はしばらく得体の知れないものでしたが、数日続けるだけで、歩行器に反応するようになりました。

もう一つは、睡眠に役立つということです。最初のポイントに書いた通り、歩行器に載せると全身運動を行います。体が思い通りに動かなくても、動いているように見えなくても、老犬は頑張って全身運動をしているはずです。寝ている時間がほとんどの状態になっても、起きてきて体を動かしたそうにする時があります。その時に歩行器で歩かせると程よい運動になるようです。3-5分ほど歩かせただけで、深い睡眠に入ってくれます。

購入を非常に迷った歩行器でしたが、本当に意味のあるものだと今では確信しています。少なくともアーさんにとって歩行器は必要不可欠なものになったことだけは確かなことです。